あっという間に今年はBONNIE PINKの年になってしまった。
気がつけば巷では毎日のように「A Perfect Sky」が流れていて、この頃はTVでも当たり前に彼女の姿を見るようになった。もともと、『Heaven's Kitchen』以降は「決して派手さはないが、時代の波に左右されずに着実な進化を続けているアーティスト」的な表現をされることが多かった彼女だが、今年に限っては、もうそんな控えめな誉め言葉はいらないだろう。明らかに今のBONNIEには時代の波に乗った者の勢いがあるし、そして何より派手だ。
こんな風に書くと、人気は出てほしいが売れすぎるのは複雑、という、いわゆる「昔からのファン」にお決まりのよくある抵抗感のように見えてしまうかもしれないけど、むしろ全く逆で、私は今のこの状況をとても好ましく思うし、普通に嬉しくてしょうがない。だって、これからはもう人前でBONNIE PINKの話題を出す時に、わざわざ「Heaven's Kitchen」まで遡る必要もないのだし(「ほら、今流れてるこの曲」で済んでしまうこの簡単さ!)、彼女の出演するTV番組をうっかり録画予約し忘れてしまった時でも、周りの友人知人に気軽に頼ることができるのだから(その際、彼らがBSやCSに加入しているか否かは何の問題にもならないのだ)。唯一の弊害といえば、これで確実に、今まで以上にライブチケットが入手し辛くなったことだろうか!
…途中からなぜかエセ洋楽レビュー風になってしまった気がするけど、とにかくデビュー以来のファンの一人としては、この突然降って沸いた「BONNIE現象」はまさに願ったり叶ったりな出来事だし、こういったベスト盤でまた彼女の知名度が一気に上がるのも素直に大歓迎だったりする。
内容的には何しろシングル全集なので選曲はオーソドックスそのもの。ただしカップリング曲未聴の方にはそれだけで買う価値あり。特にdisc1は「泡になった」「かなわないこと」(この二曲は順番逆でも良かった)や「The Last Thing I Can Do」などの名曲達がようやく陽の目を見ていて思わず感動。また個人的に全曲中ベスト3に入る「犬と月」や、いかにも初期の曲らしく肩に力入りまくり、といった感じの異色曲「Suprise!」が再びアルバムで聴けるのも感慨深い(あとは「たとえばの話」が入っていればなお言うことなしだが)。それにしてもやっぱり「Do you crush?」はどの流れで聴いてもちゃんと盛り上がる*1。さすが看板ソング。
そしてdisc2はさらに隙なしというか、改めて脱タンバリン以降の完成度の高さに驚かされる。特にラスト五曲はもう黙って力ずくで持っていかれるしかない磐石の流れ。というかよくぞここで「Souldiers」を入れてくれた、と言いたい。全盛期のDo As Infinityを彷彿とさせるような*2このどマイナーな超名曲をこんな勝負所に持ってきた構成にひたすら拍手。そしてここにあってもやはり「LOVE IS BUBBLE」と「A Perfect Sky」はさすがに別格。結局他の曲が全部このダブル新曲の壮大なカップリングだったんじゃないかと思わせるほどの*3圧倒的な存在感。でも、それでも最後はあくまで「Last Kiss」というこの絶妙なバランス感覚がまたたまらない。
欲を言えば、「BLACKBIRD」や「Under the Sun」などまだまだ入れてほしかった曲はたくさんあるが、この充実ぶりを考えればベスト盤としての完成度は文句なし*4。BONNIE入門者はもちろん、シングルアルバム全部持ってる方も改めて彼女の歴史に浸ってみるとよいのでは。
-----
*1 無論、ライブでも。 *2 「深い森」「遠くまで」で鳥肌が立つ方は必聴。 *3 意外とそれほどオーバーでもない表現。 *4 もちろん限定盤DVDが今作最大の魅力であることは疑いないのだけど、あくまで映像はボーナス。これから買う方も通常盤で十分におつりが来ます。
|